屋島健康ランドは、もう地図からは消えてしまった場所。 けれど、N氏の記憶の中では今も湯気が立ちのぼり、 赤いカーペットの上には毛布で寝転ぶ人たちがいて、 サウナのテレビは今日も静かに流れている。
このシリーズは、そんな“心の中で営業中の健康ランド”を、 ばつまるが案内役となって歩いていく物語。
読者はきっと、自分の「もう無いけれど忘れられない場所」を思い出すはず。
📘 第1話:祖父の回数券がつくった家族の休日
祖父の「今日は健康ランドやぞ」で始まる特別な日。 家族全員分の回数券という粋な文化が、思い出の原点。
📘 第2話:サンフランシスコ前の生簀と、好きなものを頼める幸せ
生簀の魚を眺めてワクワク。 大食堂サンフランシスコは、子どもにとって“ごちそうの国”。
📘 第3話:広い風呂と15mプールの冒険
浅いプールで泳ぎ、冷えたら別の湯へ。 サウナのテレビは、家族の静かな時間をつくってくれた。
📘 第4話:アロハ柄の館内着と、小さな成長
派手な館内着。 幼い頃は下着なし、少し大きくなると“ちゃんと履く”。 そんな小さな成長も健康ランドの思い出。
📘 第5話:ピクニックのフロートと、苦いピーマンのピザ
メロンソーダフロート、コーラフロート。 冷凍ピザのピーマンが妙に苦い。 手首の鍵番号で支払いできるワクワク。
📘 第6話:漫画コーナーと、コインゲームの大盤振る舞い
知らないおじいさんから大量のコイン。 家族総出で“減らすゲーム”をするという、健康ランドならではの文化。
📘 第7話:赤いカーペットと、いびきのBGM
毛布で寝転ぶ人たち。 シアタールームのいびき。 雑多で自由で、どこか安心する空気。
📘 第8話:夏のBBQと、風呂=健康ランドの絶対的価値
外で焼ける肉の匂い。 風呂上がりの風。 「風呂行くぞ」で健康ランドじゃなかった時の絶望。
📘 第9話:広い館内で親を探す冒険
曲がり角ごとに違う景色。 迷子になりそうでならないワクワク。 館内そのものがテーマパーク。
📘 第10話:最後の訪問と、レストランピクニックの一枚
息子と訪れた最後の日。 何気なく撮った写真が、後から宝物になる。 屋島健康ランドがくれた“最後の贈り物”。


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