夜のゲーセンは静かだった。 クレーン機のライトだけが、店内を淡く照らしている。
むんく店長は、今日も閉店後の帳簿を眺めていた。
「今月もギリギリやなぁ…… でも、なんとか黒字にはなったか……」
そこへ、常連のN氏がふらっと入ってきた。
「むんく店長、まだ店閉めとらんの?」
「あぁ、ちょっと考えごとしとってな」
N氏はクレーン機の中に並ぶ“ばつまる”たちを見つめる。
「しかし、ばつまるも立派になったなぁ。 最初はただの手作りぬいぐるみやったのに」
むんく店長は笑う。
「ほんまやな。 まさか限定50体のプレミアまで作るとは思わんかったわ」
🎯 N氏「むんく店長、次は何するん?」
むんく店長は少し黙ってから、ぽつりと話し始めた。
「実はな…… ばつまるを“正式なプライズ景品”にしたいんよ」
N氏は目を丸くする。
「え、あのプライズメーカーと契約するってこと?」
「そう。 問屋ルートじゃなくて、メーカーと組んで、 ばつまるを全国のゲーセンに置いてもらうんや」
N氏は腕を組む。
「それ……めちゃくちゃ大変やろ?」
むんく店長はうなずく。
「版権の手続きも、製造ロットも、 風営法のチェックも、全部ハードル高い。 でもな……」
むんく店長はクレーン機の中のばつまるを見つめる。
「この子を、もっといろんな人に知ってほしいんよ」
🎁 そのとき、クレーン機が“ピッ”と光った
N氏が100円玉を入れていた。
「ほな、俺が最初の応援や。 ばつまる、全国デビュー前にもう一回取っとくわ」
むんく店長は笑う。
「また波読むんか?」
「読むで。今日はええ波来とる」
アームが降りる。 ばつまるの耳をそっと掴む。 ふわっと持ち上げる。
落とし口へ—— コトン。
「……取れた。」
むんく店長は思わず拍手した。
「N氏、ほんまに波読めるんやな……!」
N氏はばつまるを手に取り、言った。
「むんく店長。 この店、もっとおもろなるで。 ばつまるも、むんく店長も、まだ伸びるわ」
むんく店長は照れながらも、胸の奥が熱くなるのを感じた。
🌟 むんく店長の新しい夢
店の電気を消しながら、むんく店長は心の中でつぶやく。
「よし……次は“ばつまる公式プライズ化計画”や。 ここからが本番やな」
クレーン機の中で、ばつまるがライトに照らされて微笑んでいるように見えた。


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